エンジンの始動及びブレークイン(慣らし運転)を行う前に、各アクセサリーパーツが、以下のように正しく組み付けられている事を確認して下さい。
エンジンに合った適切なグロープラグを、ネジの部分がずれていない事を確認しながらエンジンヘッドに取り付けます(グロープラグはエンジンに装填されていますが、取り外しが必要な場合には常に上記手続を行ってください。コニカルプラグにはワッシャーが付いていません)。
シリコン製ガスケットをエンジンの排気孔に取り付けます。金属製の用具を使用するとガスケットを破損する可能性がある為、作業は全て指で行って下さい。少量の油をガスケットに付けて、マニホールドを軽く回しながら取り付けます。添付される小型スプリング4ヶを正しい位置に取り付けます。
シリコン製ガスケットをマフラーの規定の位置に取り付けます。金属製の用具を使用するとガスケットを破損する可能性がある為、作業は全て指で行って下さい。少量の油をガスケットに付けて、軽く回しながらマニホールドにマフラーをはめ込みます。添付される小型スプリング3点を正しい位置に取り付けます。マフラーは柔軟性のあるワイヤーを使って車に取り付けます。この作業により振動を吸収し、マフラーの破損を防ぐ事が出来ます。
エンジンにはキャブレターが付いていますが、出荷時にはしっかり締め付けられていません。固定用ネジを緩め、適切な角度でキャブレターを固定して下さい。固定用ネジを締め付ける際、キャブレターをエンジンに押し付るようにします。キャブレター本体が破損する事はありませんが、固定用ネジを必要以上に締める事は避けて下さい。この段階で、前述のエアーフィルターをキャブレターに組み付けます。
各車専用のフライホールとクラッチを組み付けます。
エンジンに組み付けられた各部品が正確に取り付けられている事を確認して下さい。一つでも不正確に取り付けられていると、高温時にクランクケースやベアリングなどが変形し、性能が大きく低下します。正しいネジを使用し、正確に取り付けられている事を必ず確認して下さい。最後にクランクケースがシャーシの底に接触していない事を確かめます。
耐久性を高め、性能を最大限に引き出す為、エンジンはブレークインを行う必要があります。ブレークインが丁寧に行われるほど、エンジンは最大限の性能を発揮し、耐久性も高まります。ブレークインは車にエンジンを搭載した状態で、下記の手順に従って行います:
注意: ピストンやシリンダー、クランクシャフト、ベアリングなどエンジンの主要部品を交換する際や、燃料のブランドを変える場合には、再びブレークインを完全に行って下さい。
警告!
回転部分、エンジン、マフラー、マニホールドには、エンジン停止後も触れないで下さい。これらの部分は非常に高温になる為、重度の火傷を引き起こす危険性があります。
①メインニードルバルブの調整は、必ず燃料が濃い状態から始めて下さい。車をサーキットで走行させ、ストレートのトップスピードを確認します。ストレートエンドまでマフラーから多量の排気ガスが出る場合、メインニードルを30°閉めて下さい。トップスピードの変化とマフラーから出る排気ガスの量を確認しながら走行を繰り返します。メインニードルバルブを閉め過ぎた(燃料が薄過ぎる)場合、車がトップスピードに達している時にマフラーから出る排気ガスの量はとても少なくなります。もしそのまま走行を続けた場合、エンジンはオーバーヒート状態になります。トップスピードが低下したり、アイドリングの回転数が低くなる(場合によってはエンジンが止まる)などの症状が発生した場合には速やかにエンジンを止め、エンジンの温度が下がるまで待って下さい。メインニードルバルブを45°開けてから再度調整を行って下さい。
②スローニードルバルブの調整も必ず燃料が濃い状態から始めて下さい。小さなコーナーの出口でスロットルを開けた時に、マフラーから大量の排気ガスが出てゆっくり加速していく時には、スローニードルバルブを30°閉めて下さい。車の加速力の変化とマフラーから出る排気ガスの量を確認しながら走行と調整を繰り返します。もしスローニードルバルブを閉め過ぎた(燃料が薄過ぎる)場合、マフラーから出る排気ガスの量は少なくなり、加速力も低下します。もしそのまま走行を続けた場合、エンジンはオーバーヒート状態になります。加速する時にエンジンの回転がスムーズに上がらない、アイドリングの回転数が低くなる(場合によってはエンジンが止まる)などの症状が発生した場合には速やかにエンジンを止め、エンジンの温度が下がるまで待って下さい。スローニードルを45°開けてから再度調整を行って下さい。
③キャブレターの調整が最も良い状態では、ストレートエンドでかすかに排気ガスが出ると共に、加速時には力強く、かつスムーズに回転が上昇します。もし燃料が薄過ぎる時はエンジンが過熱してしまい、最高の性能を得る事は出来ません。
注意: キャブレターの各ニードルバルブは1度に30°以上回さないよう気を付けて下さい。少しずつ調整して、その変化を確認して下さい。キャブレターを最良の状態にする為に、調整は忍耐強く行って下さい。使用される燃料によってはマフラーから出る排気ガスの量が大きく異なる場合がありますので注意して下さい。
警告!
キャブレターから供給される燃料の量は、実際に走行している時に掛かる負荷によって大きく変化します。ですから最終的なキャブレター調整は、必ず車を実際に走行させて行って下さい。タイヤが地面に接地していない状態(スターターBOX上など)では、エンジンに掛かる負荷が極端に少ないので実際に走行させた時とは、回転の上がり方が大きく異なります。又、冷却の為の空気が十分にエンジンに当たらない事でオーバーヒート状態になり易く、最悪の場合は内部のパーツの変形や破損が起きる事も有ります。
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